京の夏を代表する野菜といえば、賀茂なす・万願寺とうがらし・伏見とうがらし・鹿ヶ谷かぼちゃなどが有名です。

京都ベジラボでお願いしている無農薬で栽培している農家さんの賀茂なすは、通常なら10月上旬まで出回りますが、今年は台風や大雨などの影響で出荷が終わってしましました。

企画していた秋の賀茂なすが中止になりましたが紹介だけでもさせていただきます。

 

全国的に知名度がある京野菜。中でも丸なすの代表的存在である賀茂なすは、直径10センチは優に超える、ころんとしたソフトボール状の大型の茄子で、表面の黒光りした光沢のある深い紫色は何とも美しく、存在感があります。へたが3つに分かれ三角形になった「三へた」が良質で、色深く、冴え、艶の良いのが鮮度の証ともいえます。

 

 

「茄子紺」という言葉があるように、日本で茄子といえば多くの人が黒紫色をしているものだと思っていますが、果皮が白い茄子や「青なす」の名前で売られている深い緑色をしているヨーロッパ系のなすや、赤や黄など、様々な色があるようです。

 

なすは、インド原産と言われています。インドから世界中に伝播し、日本には8世紀ごろ中国から入って来ました。江戸時代には駿河(静岡)を始め、日本各地で栽培されるようになり、各地方ごとに多くの在来品種が生まれ、その数は250種以上とも言われています。

 

駿河では、大名が正月に初物を食べることが恒例儀式になっていたそうで、徳川家康の「一富士二鷹三茄子」はあまりのも有名です。静岡の名産品であり、家康の好物でもあったなす。

 

一般的に売られているのが、長さ12~15cmの長卵形(ちょうらいけい)や中長なす(ちゅうながなす)と言われているものです。在来品種の代表的なものとして、長なすの仲間で東北地方の「仙台長」「南部長」や九州の「博多長」、丸なすの京都の賀茂なす、大阪泉州の水なす、30㎝ほどの長さのある大長なすや1口で食べられそうな小なすなどが挙げられます。

 

なすは、無駄花はないといわれ、花が咲くと必ず実がなると言います。その土地土地の水・土・気候風土にあったなすが根付いていったのもうなずけます。

 

なすの皮には、ナスニン(アントシアニンという色素の一種)が含まれていて、抗酸化作用やコレステロール値を下げる作用があります。同じく皮に含まれるアルカロイド(有機化合物で、多くは動物から植物自身を防御するための毒性を含むことが多く、薬として利用されることも多い)は、がん細胞の増殖を抑えてくれる効果があります。更に、毛細血管を丈夫にするビタミンPも皮にたくさん含まれていますので、できれば皮はむかずに摂るようにしたいものです。

 

その一方で、なすはアクが強く、アクの正体はそのほとんどがポリフェノール(アントシアニンなど光合成によってできる植物の色素や苦味の成分)類です。調理の前には、水にさらしてアク抜きが常識とされてきましたが、ナスニンは水溶性です。しかし、熱には強く、油との相性も良いので、炒めたり揚げたりする場合は、切ってすぐに調理をすればアク抜きの必要もなく、栄養価も逃しませんので、是非お試しください。

 

賀茂なすの田楽みそ

 

ただ、なすは体を冷やす性質の強い野菜です。のぼせや夏バテ解消には良いと言われていますが、昔から「秋なすは嫁に食わすな」と言われているように、これから更に美味しくなる秋なすの季節には、お産を控えている女性や胃腸が衰えている人は、体を温める作用のある生姜などと合わせて調理してお召し上がりください。

 

京都の京野菜の生産者集合写真

 

京の伝統野菜、ブランド京野菜にも認証されている賀茂なすは、皮は柔らかく、肉質は緻密で弾力があり、揚げたり煮炊き物にしても煮崩れせず、とろけるように仕上がります。淡泊な味ですのでどんな料理にも合いますが、まずは、相性も良い油で揚げて、是非、田楽でお召し上がりいただきたいです。味噌は体を温めてくれる作用もありますし、コクがまして、賀茂なすの旨味を一段と引き立ててくれます。

The following two tabs change content below.
ベジラボブログ編集部

ベジラボブログ編集部

京都にある野菜の卸会社「京都ベジラボ」のWEB担当者。こだわりの野菜の情報を発信していきます。野菜を食べて健康で元気になりましょう。